膠原病
膠原病(こうげんびょう)とは関節リウマチを含む、免疫の異常を背景にもった全身的な疾患のことです。肺炎や脳梗塞のように病気がおこった場所(臓器)に限定せずに、全身のいろいろな臓器に障害をもたらします。膠原病という言葉はいくつかの疾患の総称で、次に示すような疾患が含まれます。
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性硬化症(強皮症)
- 皮膚筋炎/多発性筋炎
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- 血管炎症候群(結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、大動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎など)
- ベーチェット病
- リウマチ性多発筋痛症
- 抗リン脂質抗体症候群
- 成人発症スティル病
など
同じ膠原病であっても患者さんによって症状は異なり、検査データの異常のみでとどまっている方もいれば、関節をはじめとした多くの臓器に障害を抱えてしまう患者さんもいます。膠原病こそ経験を積んだ専門医が診察し、患者さんごとに症状を把握し適切な治療を行っていくべき疾患なのです。
膠原病では臓器障害がみられた場合には治療にあたりステロイド剤が中心的な役割を果たすことも依然として多いです。ステロイド治療は多くの場合有効ですが、長期にわたりステロイドを使用することでその副作用に気を配る必要があります。感染症や骨粗鬆症による骨折をきたしやくなったり、糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病のような状態になることもあります。治療としてのステロイド使用が避けられないのであれば、定期的にステロイドの副作用が現われていいないかをチェックすることが必要です。