骨粗鬆症
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。よく丸まった背骨の年配の方を見かけますが、おそらくその方の背骨はいくつかつぶれてしまっている、つまり骨粗鬆症による圧迫骨折があるのです。
骨粗鬆症は我が国は世界に誇る長寿国家です。長生きする方が増えているのは喜ばしいことですが、同じ長生きするのでも身の回りことは自分で行えて趣味などを楽しめる生活を送っているのか、それとも何らかの理由で寝たきり生活になってしまっているかでは全く異なります。ただ単に寿命が延びたことが喜ばしいのではなく、自立して生活ができている健康寿命が長くなることが大切です。
骨粗鬆症は高齢の方に生じるものとは限りません。次の8つは世界保健機構の研究グループが発表した大腿骨近位部骨折をきたしやすくする危険因子です(図)。加齢以外にも多くの方に心当たりがありそうな項目が挙げられています。当院ではDXA(デキサ)法で骨密度が測定できる精密な骨密度検査機器を導入しております。これにより、骨折を起こしやすい腰椎や、骨折すると歩けなくなる大腿骨近位部の骨密度を測定し、正確な骨粗鬆症の診断をつけることが可能です。手やかかとで骨粗鬆症の評価をすることはとても簡便ですが、骨折リスクのより良い判断や薬の効果を判定にはDXA法の方が優れています。以下に骨粗鬆症検査を受けることをお勧めする方を挙げました。該当することがあればお気軽にご相談ください。
骨粗鬆症検査をお勧めする方
- 高齢者
- 閉経後女性
- 早期閉経女性
- 腰背部痛のある方
- 骨折の既往
- 身長低下(-4cm)
- 円背、亀背あり
- FOSTA([体重kg-年齢]×0.2)<-4
- 脆弱性骨折の家族歴あり
- 大酒家
- 喫煙者
- 胃切除歴あり
- 吸収不良症候群
- ステロイド服用
- ワーファリン服用
- 抗痙攣薬服用
- チアゾリジン服用
- ループ利尿剤服用
- プロトンポンプ阻害薬服用
- 関節リウマチ
- 糖尿病
- 動脈硬化、血管石灰化
- 腎疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 性腺機能不全
- クッシング症候群
患者さんなど
特に、関節リウマチ患者さんは骨粗鬆症を合併し骨折を引き起こしやすいことが知られています。関節の状態が落ち着いていても日常生活に支障をきたさないように早めから骨への手当てが必要です。当院では骨折防止のために積極的に治療することをお勧めしております。