そしがや大蔵クリニック 祖師ヶ谷大蔵,砧,世田谷 内科、リウマチ科

ステロイド性骨粗鬆症

ステロイド性骨粗鬆症とは

   ステロイド剤(糖質コルチコイド、グルココルチコイド)は炎症や免疫異常を抑える効果があり、多くの疾患の治療に用いられています。しかしながらその有益な効果の反面で様々な副作用も起こりえます。中でもステロイドの服用による骨強度の低下はほぼ必発でありステロイド骨粗鬆症といわれます。このため骨折を起こしやすくなり日々の生活に支障をきたすことも少なくありません。ステロイドを服用しているか、過去に服用歴のある方であっても骨折リスクは2.25倍に高まると報告されています(表1)。
   一般的な骨粗鬆症(原発性骨粗鬆症)は閉経後の女性でよく起こります。しかし、ステロイド性骨粗鬆症はステロイドを服用していれば、若くても、男性であっても起こるのです。また、骨密度が保たれていても、もともとの骨折がなくても原発性骨粗鬆症に比べて骨折しやすくなります(図1)。

ステロイド骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン

   治療目的で服用したステロイドのために骨折を起こすことのないようステロイド剤による治療を受けている患者さんには適切な対応が必要です。その指針が「ステロイド骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン」であり、2014年に改訂版が 発表されました。
   新ガイドラインでは、ステロイドを3か月以上服用または服用予定の患者さんでは、すでに骨折がある、65歳以上、プレドニン換算で1日に7.5㎎以上服用している、骨密度がYAM(若年成人平均)70%未満のいずれかに該当する場合には薬物治療をすべきです。また、50歳以上65歳未満、プレドニン換算で1日に5㎎以上7.5㎎未満服用している、骨密度がYAM70%以上80%未満のいずれか2項目を満たす場合も薬物治療を勧めます(図2)。
   ステロイド性骨粗鬆症による骨折を予防するための治療としては、多くの臨床研究の結果から、アレンドロネート(ボナロン・フォサマック)およびリセドロネート(アクトネル・ベネット)が第1に勧める薬剤としました。そのほかテリパラチド(フォルテオ)やイバンドロネート(ボンビバ)なども代替薬として推奨されています(表2)。

   現在、何らかの疾患によりステロイド治療は受けているが骨粗鬆症の検査をしたことがない方、治療を受けるべきか心配な方は当院にお気軽にご相談ください。