クリニック案内

アクセス

  • 電車
    小田急線 祖師ヶ谷大蔵駅下車
    ウルトラマン商店街を南に徒歩2分

医院名
ソシガヤオオクラクリニック
そしがや大蔵クリニック
院長
ナカヤマ ヒサノリ
中山 久德
住所
157-0073
東京都世田谷区砧6-30-1
野原ビル1階
診療科目
内科・リウマチ科
電話番号
03-6411-1535
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リウマチ科

関節リウマチ

これまで私はリウマチ・アレルギーの準ナショナルセンターである国立病院機構相模原病院リウマチ科にて多くの関節リウマチの患者さんを診療してきました。中には関節リウマチの診断が遅れたり、また適切な治療が受けられなかったために関節の変形が進み、日々の生活に支障をきたして駆け込んでくる患者さんもいらっしゃいました。

一昔前まではリウマチといえば強い痛みにおそわれ、手足が変形し、ゆくゆくは寝たきりになってしまう、なんともならない難病だと考えられていました。しかし、最近では関節リウマチを早い段階に診断し、痛みをしずめるだけでなく関節の破壊をも抑える積極的な治療を受けることにより、寛解(病気が治ったのも同然の状態)に達することも可能になり、これを治療の目標とすることが当たり前と考えられるようになりました。寛解を達成し維持していくためのしっかりとした治療を個々の患者さんに合わせて選択し、安全に実践していく医師がリウマチ専門医です。
以下に私が心がけている診療のポイントをいくつか挙げてみました。

関節リウマチ診療のポイント その1 早期に診断をつける

関節リウマチは放っておくと軟骨や骨が炎症により破壊され関節が変形してしまう病気です。関節の破壊は発症から1~2年ごろまでの早期に起こることが分かってきました。そのため関節破壊が生じる前に診断をつけて治療することが重要です。このため2010年に関節リウマチの新しい診断基準が発表されました(下表)。これにより関節リウマチを早めに診断できるようになったのですが、関節リウマチ以外のまぎらわしい病気と区別することが必要とされています。そのため関節リウマチの診断はリウマチ専門医が行うのがよいのです。

新しい関節リウマチの診断基準

関節リウマチ診療のポイント その2 早期からしっかりと治療する

近年、次々に関節リウマチの新たな治療薬が開発されています。ただ関節の痛みや腫れを抑えるだけでなく、リウマチの進行を抑え、関節破壊を起こさないようにする薬剤である抗リウマチ薬を用いることが重要です。ガイドラインでは、関節リウマチと診断がついたら速やかに抗リウマチ薬を投与することを勧めています。抗リウマチ薬にはいくつかのものがありますが、リウマチ治療の中心的な役割をしている薬剤はメトトレキサートです。もともと肺や腎臓、肝臓などに病気のある方には、副作用のことを考えて慎重に抗リウマチ薬を選ぶ必要があります。十分量のメトトレキサートを使用しても効果が十分ではない患者さんには生物学的製剤をお勧めすることがあります。これは関節リウマチを進行させる炎症性サイトカインなどの物質に狙いを定めて作用し、病気の進行を強力に抑えます。また、複数の炎症性サイトカインの働きを抑える効果があるJAK(ジャック)阻害剤という優れた抗リウマチ薬も使えるようになりました。生物学的製剤は点滴や皮下注射で投与しますが、JAK阻害薬は連日の経口投与です。当院ではこうした薬剤を患者さんの関節リウマチの状態に応じて適切に選択し治療方針を決めていきます。

関節リウマチ診療のポイント その3 適切な病状の評価をする

関節リウマチの活動性を、関節の痛みや腫れの所見・血液検査での炎症反応・患者さんの自己評価・医師の評価の4項目により点数化します。この値によって病気の活動性が、「高い」、「中くらい」、「低い」に分類します。さらに、関節の痛みや腫れがほとんどなく、炎症反応の値も低い「臨床的寛解(かんかい)」という状態が定義されました。現在のリウマチの治療はまさにこの臨床的寛解に達することを目標として進められていくのです。定期的に関節リウマチの活動性を適切に評価し、活動性が「中くらい」より高いようであれば薬の内容を見直して、さらに良い状態に改善していくようにします。

関節リウマチ診療のポイント その4 関節以外の症状や薬の副作用の出現に気を配る

関節リウマチは関節の症状だけにとどまるとは限りません。全身性の自己免疫疾患である膠原病に含まれる疾患であり、関節のほか、肺、心臓、消化管、腎臓、皮膚、神経、眼などといった広い範囲に影響を及ぼすことがあります。また、関節リウマチに対して用いる薬剤には感染症を引き起こしやすくすることをはじめいろいろな副作用が知られています。中には適切な管理がなされていないと重い症状が生じることもあります。リウマチの患者さんは複数の薬を長期間にわたり服用することになるため特に注意が必要です。どんな症状が出現したら受診していただきたいかを詳しく説明し、副作用出現時は速やかに適切な対応をいたします。関節リウマチの合併症や薬の副作用の中には患者さんが症状を自覚しにくい合併症もあり、検査によって発覚することもあります。定期的な検査はこうした理由からも大切です。
当院ではリウマチ内科医がしっかりと患者さんの全身管理をしてまいります。

関節リウマチ診療のポイント その5 関節リウマチは薬ばかりが治療ではない

関節リウマチの治療は以下の4本柱からなるといわれます。
1.基礎療法:患者さん本人はもちろんのこと、家族や周囲の方にも関節リウマチのことを正しく理解してもらい、普段から体に負担がかからないような生活を心がける。
2.薬物療法:薬により関節リウマチの進行を抑えたり、痛みを緩和させる。
3.手術療法:変形が強く、日々の生活に支障を来す関節を人工関節に置き換える手術が主です。
4.リハビリテーション療法:関節の機能を維持・増強したり、関節変形を予防する装具を作製したりする。
手術療法やリハビリテーションにつきましても、他の施設との連携を図り時期を逃さずに適切な対応をするように致します。
こうしたことを常に念頭に置き、関節リウマチ患者さんの日常生活やお仕事、ご趣味への支障を少なくすることを目指した治療をいたします。